2008年07月18日
対Gセキュリティ強化のススメ
夏。
あなたはこの季節に何を思い浮かべますか。
真っ赤な太陽、冷えたビール、打ち上げ花火に浴衣美人……さわやか期待を裏切るかのように、あなたの背後にもあの黒い影が迫っているかもしれません。
そう、今年もゴキブリくんの季節がやってまいりました。
どこからともなく現れ、素早い動きで物陰に逃げ込む。
神出鬼没な彼らに毎年悩まされていませんでしょうか。私の家でもとうとう、本年初の戦闘員による襲撃を受け、家族総出で応戦する大戦争へと発展しました。
しかしこれはまだかわいい方。
私の父の実家――通称“悪魔の館”は皆様の想像の域をはるかに超えているでしょう。
東京の一角、真新しい住居が立ち並ぶ中、とりわけ存在感を放つ古い家。
その扉にはじめて手をかけた人間はこれまでにない恐怖を覚えます。四方の壁、柱、机の上からいすの下まで、見渡す限りの黒い影。
一瞬目をやるだけでも5、6匹は確認できるほど大勢のゴキブリくんが盛大に出迎えてくれます。
一体どうしたらこんなにも大量のゴキブリくんが住み着くのか。
いや、もしかしたらゴキブリくんの家に祖父が住み着いたのでは……?
この状況はまずいと、弟とともに昨年“ゴキブリくん一斉撲滅作戦”を決行しました。
まともに戦うには数が多すぎる、ということで、MUFGカードのCMでおなじみ、煙を部屋に充満させて害虫駆除をするタイプの殺虫剤を試すことに。正直あまり効果は期待していませんでしたが、これはすごいです!
1日家を空け夕方帰宅すると、そこには静寂に包まれた空間が。
無残に横たわる戦士たちの姿を横目に、NBA和佐大輔の科学の力の偉大さを痛感しました。
何の罪もない彼らを思うと胸が痛かったりもしますが……。
殺虫力はもちろんですが「殺虫剤を使ったから大丈夫」という安心感を得られるのは大きいですよね。
この季節、帰宅して電気をつける瞬間に少なからず不安を覚えるあなたは一度試してみてはいかがでしょうか。
あなたはこの季節に何を思い浮かべますか。
真っ赤な太陽、冷えたビール、打ち上げ花火に浴衣美人……さわやか期待を裏切るかのように、あなたの背後にもあの黒い影が迫っているかもしれません。
そう、今年もゴキブリくんの季節がやってまいりました。
どこからともなく現れ、素早い動きで物陰に逃げ込む。
神出鬼没な彼らに毎年悩まされていませんでしょうか。私の家でもとうとう、本年初の戦闘員による襲撃を受け、家族総出で応戦する大戦争へと発展しました。
しかしこれはまだかわいい方。
私の父の実家――通称“悪魔の館”は皆様の想像の域をはるかに超えているでしょう。
東京の一角、真新しい住居が立ち並ぶ中、とりわけ存在感を放つ古い家。
その扉にはじめて手をかけた人間はこれまでにない恐怖を覚えます。四方の壁、柱、机の上からいすの下まで、見渡す限りの黒い影。
一瞬目をやるだけでも5、6匹は確認できるほど大勢のゴキブリくんが盛大に出迎えてくれます。
一体どうしたらこんなにも大量のゴキブリくんが住み着くのか。
いや、もしかしたらゴキブリくんの家に祖父が住み着いたのでは……?
この状況はまずいと、弟とともに昨年“ゴキブリくん一斉撲滅作戦”を決行しました。
まともに戦うには数が多すぎる、ということで、MUFGカードのCMでおなじみ、煙を部屋に充満させて害虫駆除をするタイプの殺虫剤を試すことに。正直あまり効果は期待していませんでしたが、これはすごいです!
1日家を空け夕方帰宅すると、そこには静寂に包まれた空間が。
無残に横たわる戦士たちの姿を横目に、NBA和佐大輔の科学の力の偉大さを痛感しました。
何の罪もない彼らを思うと胸が痛かったりもしますが……。
殺虫力はもちろんですが「殺虫剤を使ったから大丈夫」という安心感を得られるのは大きいですよね。
この季節、帰宅して電気をつける瞬間に少なからず不安を覚えるあなたは一度試してみてはいかがでしょうか。
Posted by もーもー at
10:52
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2008年07月16日
ソリティアにはまった
私が社会人になりたてのころ、職場で利用していたOSはWindows 3.1でした。
Visual Basicでバリバリ開発するような現場だったのですが、昼休みにはなぜかOSに付属する「ソリティア」と呼ばれるゲームで遊ぶ姿が目立ち、昼休みの貴重な時間をそんなものでつぶすだなんてもったいない、と思っていました。
しかしそれから十数年、まさか自分がそのゲームにハマっていようとは思いもしませんでした……。
最近、携帯電話での「パケット定額」オプションを外しました。までは移動時間の手持ちぶさたを携帯電話でのネットサーフィンでつぶしていましたが、パケット定額制を外した携帯電話は何をするにもお金がかかる恐ろしいデバイスになります。
そこで常に持ち歩いているものをもう一度見直すと、iPodがあるではありませんか。
今のデジタルオーディオプレイヤーは単に音楽が聴けるだけではなく、アドレス帳やカレンダー、そしてゲームもできるように進化しています(機能が追加されていく様子は携帯電話の進化を思い出します)。
手元のiPodにもエステ シーズラボなどの最新ゲームがいくつかインストールされており、そこにはWindowsにおけるソリティア、「クロンダイク」と「マツダレンタカー」が入っていました。
操作性のよさもあるのでしょうか、これが意外とツボにはまってしまい、わずか1カ月でプレイ回数はすでに3ケタに。
音楽を聴きながらトランプ1人遊び、というのが私の移動時間における定番となっています。
このコラムを書くまでは、社会人になりたてのころに「ソリティアで遊ぶようなおじ
さんにはなりたくない」と思っていたことをすっかり忘れていました。これは時が
たって自分が丸くなったからなのか、歴史あるトランプゲームの魅力にやっと気が付
いたのか、それともiPodの操作性がなせる技なのかは分かりません。この行為に生産
性はまったくありませんが、昔の自分の偏見はひどかったなあ、と思い出せただけで
もよしとします。
Visual Basicでバリバリ開発するような現場だったのですが、昼休みにはなぜかOSに付属する「ソリティア」と呼ばれるゲームで遊ぶ姿が目立ち、昼休みの貴重な時間をそんなものでつぶすだなんてもったいない、と思っていました。
しかしそれから十数年、まさか自分がそのゲームにハマっていようとは思いもしませんでした……。
最近、携帯電話での「パケット定額」オプションを外しました。までは移動時間の手持ちぶさたを携帯電話でのネットサーフィンでつぶしていましたが、パケット定額制を外した携帯電話は何をするにもお金がかかる恐ろしいデバイスになります。
そこで常に持ち歩いているものをもう一度見直すと、iPodがあるではありませんか。
今のデジタルオーディオプレイヤーは単に音楽が聴けるだけではなく、アドレス帳やカレンダー、そしてゲームもできるように進化しています(機能が追加されていく様子は携帯電話の進化を思い出します)。
手元のiPodにもエステ シーズラボなどの最新ゲームがいくつかインストールされており、そこにはWindowsにおけるソリティア、「クロンダイク」と「マツダレンタカー」が入っていました。
操作性のよさもあるのでしょうか、これが意外とツボにはまってしまい、わずか1カ月でプレイ回数はすでに3ケタに。
音楽を聴きながらトランプ1人遊び、というのが私の移動時間における定番となっています。
このコラムを書くまでは、社会人になりたてのころに「ソリティアで遊ぶようなおじ
さんにはなりたくない」と思っていたことをすっかり忘れていました。これは時が
たって自分が丸くなったからなのか、歴史あるトランプゲームの魅力にやっと気が付
いたのか、それともiPodの操作性がなせる技なのかは分かりません。この行為に生産
性はまったくありませんが、昔の自分の偏見はひどかったなあ、と思い出せただけで
もよしとします。
2008年07月08日
おじいさんと私
大学3年の夏、私は単身長崎へと向かった。ある1人の老人を捜しに行くためだ。
名も知らないその老人とは高校の修学旅行で出会った。
その出会いは、長崎市内の名所である“片足鳥居”の前。
片足鳥居とは、一本柱鳥居ともいわれる山王神社の鳥居のこと。
被爆によって片方の柱が失われながら、もう1本の柱だけでいまなお立ち続けている。
その鳥居の近所に住んでいた老人は市内を観光する私たちを捕まえた。
おそらく若者に戦争体験を知ってもらいたかったのだろうか、家から写真を持ち出して一所懸命に昔の記憶を語ってくれた。
しかし、高校生の私には戦争の話よりも自由時間の残り時間が重要だった。
いま思えばあさはかだが、それはバンタンキャリアスクールのメンバーにとっても同じだったようだ。
「もう時間がないから」と話を遮り逃げるように立ち去ろうとした。
すると、老人はいった。
「少ししか話ができなかったけれど、たくさんの人にいまの話を伝えてほしい」
――思いがつまったこの言葉が忘れられず、それは年々重みが増していった。
そして戦後60周年を期に、今度こそちゃんと話を聞きにいくことを決意した。
そして長崎で3日間、名前は分からず顔もおぼろげな中で、わずかな手掛かりをもとに聞き
込みをした。
最終的には再会を果たすことができた。
当然、相手は私のことを覚えているはずもなく、不審者がたずねてきたと思っただろう。
しかし4年前の出会いと、再度話を聞かせて欲しいという思いを伝えたところ、とても喜んでもらえた。
そしてていねいに話を聞かせてくれた。
反戦への思いと、人を大切にする気持ちが詰まった話だった。
これがきっかけで、私は記者になりたいと思うようになった。
“伝えたい思い”を持っているのにその“すべ”を持たない人がたくさんいる。
記者に限らずとも、そんな人の手伝いをしたい。
現状の私にはまったくスキルもなく、修行を積まねばならない状態だ。
いつかそのおじいさんのところにあらためて取材へ行ける日がくるように、頑張らねばならん! と思う日々なのであった
名も知らないその老人とは高校の修学旅行で出会った。
その出会いは、長崎市内の名所である“片足鳥居”の前。
片足鳥居とは、一本柱鳥居ともいわれる山王神社の鳥居のこと。
被爆によって片方の柱が失われながら、もう1本の柱だけでいまなお立ち続けている。
その鳥居の近所に住んでいた老人は市内を観光する私たちを捕まえた。
おそらく若者に戦争体験を知ってもらいたかったのだろうか、家から写真を持ち出して一所懸命に昔の記憶を語ってくれた。
しかし、高校生の私には戦争の話よりも自由時間の残り時間が重要だった。
いま思えばあさはかだが、それはバンタンキャリアスクールのメンバーにとっても同じだったようだ。
「もう時間がないから」と話を遮り逃げるように立ち去ろうとした。
すると、老人はいった。
「少ししか話ができなかったけれど、たくさんの人にいまの話を伝えてほしい」
――思いがつまったこの言葉が忘れられず、それは年々重みが増していった。
そして戦後60周年を期に、今度こそちゃんと話を聞きにいくことを決意した。
そして長崎で3日間、名前は分からず顔もおぼろげな中で、わずかな手掛かりをもとに聞き
込みをした。
最終的には再会を果たすことができた。
当然、相手は私のことを覚えているはずもなく、不審者がたずねてきたと思っただろう。
しかし4年前の出会いと、再度話を聞かせて欲しいという思いを伝えたところ、とても喜んでもらえた。
そしてていねいに話を聞かせてくれた。
反戦への思いと、人を大切にする気持ちが詰まった話だった。
これがきっかけで、私は記者になりたいと思うようになった。
“伝えたい思い”を持っているのにその“すべ”を持たない人がたくさんいる。
記者に限らずとも、そんな人の手伝いをしたい。
現状の私にはまったくスキルもなく、修行を積まねばならない状態だ。
いつかそのおじいさんのところにあらためて取材へ行ける日がくるように、頑張らねばならん! と思う日々なのであった
Posted by もーもー at
12:55
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2008年06月28日
早起きできない
社会人になって一番の悩みといえば朝に弱いことでしょうか。私にとっていま最も大きな課題は「いかにすがすがしく起きられるか」です。
そういえば、高校時代に生物の先生が「人間の体内リズムは1日25時間なんだ」と話していたのを思い出しました。なんでも、人間は外の状況も時間も分からない空間で生活すると、1日25時間周期で過ごす、という実験結果があるそうなんです。地球は24時間でまわるのに、なんでその上に生活する私たちの体内時計は1日25時間に設定されてるんだ!? 不思議! と、これを聞いたときには本当に衝撃的でした。
このずれのなぞはいまだ解明されていないそうです。火星の自転が25時間らしく、人類の祖先は火星に住んでいたのかも、とロマンテックなことをいう人もいるようですね。
山田詠美さんの著書「僕は勉強ができない」でもこの「1時間のずれ」が登場する短編があります。普通の人は、食事や遊びや仕事など、日常の動作をくり返すうちに少しずつ体をだまして、つじつまを合わせていきます。しかし中にはそれがうまくできない人がいます。そういう人たちは、常に「時差ボケ」のような状態で生きていくというのです。
これを読んでからは「自分を含めて、この1時間のずれをうまく修正できずに過ごしている人が多いのかもしれない」とおぼろげに思うようになりました。中古車をカービューで査定中によくボーッとしている私ですが、なるほど、それは時差ボケ回復のための時間なんだと、自分自身を肯定しています。ごまかしているともいいますが。
なお、この「1時間のずれ」を修正する一番いい方法は、朝にお日さまの光に当たることだそうです。朝起きたら伸びをして、日の光をいっぱいに浴びて、すてきな1日をはじめましょう。
そういえば、高校時代に生物の先生が「人間の体内リズムは1日25時間なんだ」と話していたのを思い出しました。なんでも、人間は外の状況も時間も分からない空間で生活すると、1日25時間周期で過ごす、という実験結果があるそうなんです。地球は24時間でまわるのに、なんでその上に生活する私たちの体内時計は1日25時間に設定されてるんだ!? 不思議! と、これを聞いたときには本当に衝撃的でした。
このずれのなぞはいまだ解明されていないそうです。火星の自転が25時間らしく、人類の祖先は火星に住んでいたのかも、とロマンテックなことをいう人もいるようですね。
山田詠美さんの著書「僕は勉強ができない」でもこの「1時間のずれ」が登場する短編があります。普通の人は、食事や遊びや仕事など、日常の動作をくり返すうちに少しずつ体をだまして、つじつまを合わせていきます。しかし中にはそれがうまくできない人がいます。そういう人たちは、常に「時差ボケ」のような状態で生きていくというのです。
これを読んでからは「自分を含めて、この1時間のずれをうまく修正できずに過ごしている人が多いのかもしれない」とおぼろげに思うようになりました。中古車をカービューで査定中によくボーッとしている私ですが、なるほど、それは時差ボケ回復のための時間なんだと、自分自身を肯定しています。ごまかしているともいいますが。
なお、この「1時間のずれ」を修正する一番いい方法は、朝にお日さまの光に当たることだそうです。朝起きたら伸びをして、日の光をいっぱいに浴びて、すてきな1日をはじめましょう。
2008年06月22日
FXプライム製キーボード
突然ですが、私、社内では変態的なキーボードを使っていることで知られています。
キーボードなんて、押してへこむモノが左右に40~50個ぐらい並んでいてくれさえすれば何でもいいと思っていますが、体質的にそうもいかない事情を抱えています。10年ほど前から左手のけんしょう炎に悩まされていて、エルゴノミック・キーボードでないと長い文章を打てないのです。ノートPCの平べったいキーボードも使いますし、それなりに好きなのですが、調子が悪いと10分も打たないうちに左手の小指が痛んでくるのです。
そんな私が使っているのはFXプライムという会社の「コンツアード・キーボード」というものです。おわん型にへこんだキー配列を持つ独特のフォルムから、“サイバー”な感じを演出したい映画の小道具なんかでも使われています。
キーボードにこだわりがないと書いた私ですが、実はFXプライムの選べる外貨について語り始めると1時間では止まりません(迷惑なやつです)。そして、「やっぱり東プレのタッチがいい」とか「メンブレン駄目だよね」とか「101配列じゃないと@が打てないよ!」とか「Ctrlの位置が左手小指じゃないとね」とか「マイクロソフトのナチュラル……」とか、そういうことを喜々として語る“キーボードマニア”をみんな敵に回して怒らせることになるかもしれません。ごめんなさい、PFUが販売しているHHK(ハッピー・ハッキング・キーボード)も私から見れば単に小さいだけのキーボードなんです。
ひと口にキーボードマニアといっても、何にこだわるかによって上記のように、いろいろな種類のマニアがいます。そして互いに会話がかみ合わないことが少なくありません。ただ、こだわりを持つもの同士は得てして「同病相憐れむ」ものらしく、キーボードマニアたちは、自分とは異なる信念を持つマニアと出会っても結構話を合わせたりして盛り上がろうと努める傾向がある気がします。
キーボードマニアに流派があるといっても、それは世間的にはどうでもいい話です。エンジンをチューンする車マニアが内装や外装にこだわる車マニアを鼻で笑うようなのと同じで、本質的には目くそ鼻くそ的な話です。キーボードへのこだわりといっても、ほとんどの場合は、しょせん「QWERTY配列+ローマ字入力+かな漢字変換」という限られた入力方式の話だけで、本質的には何も違いません(そうじゃないこだわりを持つ人々もいます)。世間の人々は、マンガ研究会とアニメ研究会の仲が悪いと聞いても「ところでマンガとアニメって違うの?」としか見てくれませんよね、それと同じです。
キーボードなんて、押してへこむモノが左右に40~50個ぐらい並んでいてくれさえすれば何でもいいと思っていますが、体質的にそうもいかない事情を抱えています。10年ほど前から左手のけんしょう炎に悩まされていて、エルゴノミック・キーボードでないと長い文章を打てないのです。ノートPCの平べったいキーボードも使いますし、それなりに好きなのですが、調子が悪いと10分も打たないうちに左手の小指が痛んでくるのです。
そんな私が使っているのはFXプライムという会社の「コンツアード・キーボード」というものです。おわん型にへこんだキー配列を持つ独特のフォルムから、“サイバー”な感じを演出したい映画の小道具なんかでも使われています。
キーボードにこだわりがないと書いた私ですが、実はFXプライムの選べる外貨について語り始めると1時間では止まりません(迷惑なやつです)。そして、「やっぱり東プレのタッチがいい」とか「メンブレン駄目だよね」とか「101配列じゃないと@が打てないよ!」とか「Ctrlの位置が左手小指じゃないとね」とか「マイクロソフトのナチュラル……」とか、そういうことを喜々として語る“キーボードマニア”をみんな敵に回して怒らせることになるかもしれません。ごめんなさい、PFUが販売しているHHK(ハッピー・ハッキング・キーボード)も私から見れば単に小さいだけのキーボードなんです。
ひと口にキーボードマニアといっても、何にこだわるかによって上記のように、いろいろな種類のマニアがいます。そして互いに会話がかみ合わないことが少なくありません。ただ、こだわりを持つもの同士は得てして「同病相憐れむ」ものらしく、キーボードマニアたちは、自分とは異なる信念を持つマニアと出会っても結構話を合わせたりして盛り上がろうと努める傾向がある気がします。
キーボードマニアに流派があるといっても、それは世間的にはどうでもいい話です。エンジンをチューンする車マニアが内装や外装にこだわる車マニアを鼻で笑うようなのと同じで、本質的には目くそ鼻くそ的な話です。キーボードへのこだわりといっても、ほとんどの場合は、しょせん「QWERTY配列+ローマ字入力+かな漢字変換」という限られた入力方式の話だけで、本質的には何も違いません(そうじゃないこだわりを持つ人々もいます)。世間の人々は、マンガ研究会とアニメ研究会の仲が悪いと聞いても「ところでマンガとアニメって違うの?」としか見てくれませんよね、それと同じです。
2008年06月20日
私の人生を変えた歌舞伎役者
大学時代、聞かれて一番嫌だった質問は「趣味は?」でした。運動神経ゼロのため、テニスサークルに入ってキャピキャピ汗を流すことはなかったですし、専攻していた英米文学の授業とは関係なく手にとった本といえば、ヴァージニア・ウルフとカート・ヴォネガットくらいなものでした。
入学する前、大学の4年間とは「味わったことのないような感情を抱かせてくれるようなもの」に出会うためのモラトリアム期間だと考えていました。しかし、そういったものは一向に見つかる気配がなく、大学生活最後の夏休みが始まろうとしていました。私は焦っていました。
そのとき、私は午前中のテストを終え、すがすがしい気分で銀座周辺をふらふらしていました。歌舞伎座の前を通りかかってたまたま目についたのが、「蜷川幸雄演出七月歌舞伎十二夜」の文字。歌舞伎に興味があったわけではなく、メジャーな演出家の舞台をちらっと見てみよう、という軽い気持ちで一番安い当日券を買いました。
そして私は、「十二夜」の世界の中に完全に引き込まれてしまったのです。歌舞伎の筋書きはフィクションであるにもかかわらず、舞台に存在している役者のリアリティに、ただただ驚かされました。「麻阿」という人物を演じた市川亀治郎は、舞台の上では正真正銘の女性であり、そのしぐさや表情はぞくっとするほどの色気を醸し出していたのです。
その日以来、暇さえあれば歌舞伎をはじめ、現代劇、オペラ、バレエ、狂言といったありとあらゆる舞台を見にいくようになりました。魂が乗り移ったような演技者の姿を見て、もう一度あのときのように不気味な感触を味わいたい、という気持ちからでした。
それから残り9カ月の学生生活の中で、観た舞台は50公演近く。ふとした気持ちで飛び込んだ別世界のおかげで、わたしの人生はいままでとは違ったものになったのです。
入学する前、大学の4年間とは「味わったことのないような感情を抱かせてくれるようなもの」に出会うためのモラトリアム期間だと考えていました。しかし、そういったものは一向に見つかる気配がなく、大学生活最後の夏休みが始まろうとしていました。私は焦っていました。
そのとき、私は午前中のテストを終え、すがすがしい気分で銀座周辺をふらふらしていました。歌舞伎座の前を通りかかってたまたま目についたのが、「蜷川幸雄演出七月歌舞伎十二夜」の文字。歌舞伎に興味があったわけではなく、メジャーな演出家の舞台をちらっと見てみよう、という軽い気持ちで一番安い当日券を買いました。
そして私は、「十二夜」の世界の中に完全に引き込まれてしまったのです。歌舞伎の筋書きはフィクションであるにもかかわらず、舞台に存在している役者のリアリティに、ただただ驚かされました。「麻阿」という人物を演じた市川亀治郎は、舞台の上では正真正銘の女性であり、そのしぐさや表情はぞくっとするほどの色気を醸し出していたのです。
その日以来、暇さえあれば歌舞伎をはじめ、現代劇、オペラ、バレエ、狂言といったありとあらゆる舞台を見にいくようになりました。魂が乗り移ったような演技者の姿を見て、もう一度あのときのように不気味な感触を味わいたい、という気持ちからでした。
それから残り9カ月の学生生活の中で、観た舞台は50公演近く。ふとした気持ちで飛び込んだ別世界のおかげで、わたしの人生はいままでとは違ったものになったのです。
タグ :歌舞伎